Gallery in Nangang

台北市内のマンションにnoizで設計したプライベートギャラリー。一般的なマンションの部屋を、純粋なギャラリーとレセプション機能を持つリビングとの二つに分け、その境界が切断された面としてできるだけ鋭利に浮かび上がることをイメージして設計をした。著名な現代美術コレクターであるオーナー夫妻の日常生活の一環として落ち着いてアートを楽しめるプライベートな空間としたいにという要求と、一方でコンベンショナルなギャラリーの少し先を考えてみたいという相反する要求を、あえてそのまま断絶としてスペースの構成に落とし込んでいる。ギャラリースペースは、いわゆるホワイトボックス形式ではあるものの、原則として壁掛け式では作品を設置せず、床と天井との間に差し込むように設置可能なピボット式フレームを用い、あたかも作品が空中に浮いているように、ランダムな位置と角度で陳列することを前提としている。常に壁に背後を守られた作品に1:1で対峙するという伝統的な美術鑑賞の方式に対し、あえて空間の中にランダムに設置され、横からも斜めからも、ときには背後からも見られる・現れる作品との1:Manyな関係の中で、常に新しい発見があるような、常に関係性が揺れ動くようなギャラリー空間を実現したいと考えた。天井と床にドロネーパターンで配置されたフレームを指示するピボットポイントは、フレームの容易な脱着を可能にし、常に異なる構成、見え方、鑑賞者とアートとの関係性や光の受け方などギャラリーにこれまでにない変化を持ち込む道具になる。プライベートギャラリーならではのコレクターの嗜好という新たな要素が加わることで、群として、展示としての作品は、単体では持ち得ない新しい価値と関係性を備えはじめる。ギャラリーに切断面を隔てて対峙するように配置したリビングスペースは、あえて素材感と色、様式的なスタイルを凝縮させたような扱いにすることで、ミニマルでフラットなギャラリー空間とのコントラストを強めるようにしている。切断面には特に構造物はないものの、本来連続しているはずの建築要素をすべてそのままに切り放しとすることで、あえて強く切断面を意識させるようにしている。それぞれのスペースから切断面という窓を通して他方を覗く・覗かれる関係性が意識されるようになることで、アートと鑑賞者という基本的に1:1だった関係性に、よりメタな関係性を図式として持ち込み、ギャラリーの構成全体がアートの価値の在り方、鑑賞の行為自体を問い直す冶具としても機能する。

Year: 2018

Category: interior

Status: Built

Location: Taipei,Taiwan

Photo Credit: A Pixel Studio

               

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