トリプルキャスト エアレース渋谷2022-2023

NOIZがファサードとランドスケープのデザイン・監修を担当しました渋谷の複合ビル「渋谷キャスト」にて、VR/AR/物理世界の3つの領域を連動させるプロジェクト「トリプルキャスト」が立ち上がり、その企画およびプラットフォーム構築をNOIZが担当しています。多様なXR環境が日常に多く入り込む中、VRとAR、現実の場所を統合する汎用的な環境を常設する事例として、世界に先行するプロジェクトとなっています。

今回はその第一弾として、渋谷キャストのウィンターイルミネーションをVRおよびAR世界に拡張し、渋谷キャストのスキャンデータおよび設計データを活用してVR Chat内にVR CASTを構築、そこでCASTの周囲および渋谷の上空を飛び回りながらエアレースができる「エアレース渋谷」を開催しました。VR空間内のエアレースは2022年12月にスタートし、各自が自由にレース名をつけて出走し、友人たちとレースを楽しむことが可能です。2023年1月から開催された第二期では、VR空間内のレースを名前で呼び出すことで、レースの様子を渋谷キャストの現地で、まるで目の前の空中でレースが行われているかのように、自分たちの出走レースを「体験」することが可能になります。現地の渋谷キャストの広場には、VR空間と同じスタート/ゴールのイルミネーションが設置され、ARもそれらをマーカーとして発動するなど、現実世界と仮想世界の境界をあいまいにする工夫をちりばめることで、訪れる人を拡張世界へと誘います。

NOIZでは上記の統合体験の企画およびディレクション、技術およびビジュアルのコーディネーション、物理環境の設計監理を担当しました。本プロジェクトの主な体験世界は以下の3つです。

① VR体験
VRChat上にバーチャル渋谷キャストを構築し、その中で「エアレース渋谷」を常時開催。対応するVR機器があれば、没入型でキャスト周囲の空間に設定されたエアレースのコースを3周してタイムを競うバーチャルエアレースに、誰でも出走が可能です。ゴール後は渋谷の上空やビルの合間を自由に飛び回る、バーチャルキャストならではの飛行体験もすることができます。ワールド構築はVoxelKeiが担当。

② AR体験
VR Chat内での「エアレース渋谷」の飛行ログをレースごとに書き出し、渋谷キャスト現地でARとして再現しています。渋谷キャストの建築データを取り込んだオクルージョンを用いて、バーチャルレースを現地広場にて自由視点で再現することで、呼び出したレースの機体が建物の間をすり抜ける様子を、敷地内のいろいろな場所から体験することができる実地型ARです。ARアプリケーション構築はDETORが担当。

③ 物理会場体験
渋谷キャストガーデン(広場)に、ウィンターイルミネーションとしてVRキャストと同じスタート/ゴールゲートが設置され、期間限定の渋谷のフォトスポットに。そのほか広場のいろいろな場所にARマーカーが設置され、それらを起点にバーチャルエアレースを呼び出し、その視点からのレースを体験することができます。物理環境の設計はNOIZが担当。

トリプルキャストはVR・AR・物理空間の連動フォーマットを汎用性高く構築し、今後の季節イベントや企業プロモーションイベントでも、より簡易に拡張世界間の連携が可能になるようなプラットフォームです。エアレース渋谷の後にも、同プラットフォームを用いたイベントやプロモーション企画を継続的に実装していく予定です。

【 トリプルキャスト / エアレース渋谷2022-2023 】2022年12月12日(月)- 2023年2月26日(日)/ SHIBUYA CAST. GARDEN

Year: 2023

Category: installation

Status: Completed

Location: Tokyo, Japan

Collaborator: 東急株式会社 / 渋谷キャスト / VoxelKei / DETOR

Photo Credit: 高木康広

Link: トリプルキャスト エアレース渋谷2022-2023

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