“unnamed ー視点を変えて見るデザインー” at Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2021

第14回目の開催となる「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2021」(主催:東京ミッドタウン)のメインコンテンツとして、芝生広場に屋外インスタレーションをデザインしました。イベントのキーワードである「デザインの裏」に対して、最終形に至るまでの「途中(=裏)」をあえて見せること、また、その「途中」の状態から見る人の行為によって「完成」するインタラクティブな建築を目指しました。普段、デザインというとどこか堅苦しいもの、変更の余地のない完成されたものとも考えられがちですが、実は使い方も見え方も解釈しだいで多様に変化します。そのように、解釈次第で無限の可能性を引き出しうることこそ、本当のデザインの価値なのではないかと考えます。デザイナーがデザインするという行為以上に、見る人や使う人が見る、使うという行為は、モノに意味や価値を与える上でとても大切なのです。良いデザインは見る瞬間、使う瞬間ごとにその意味や価値を新しく「生成」してくれます。そんなとらえどころのない形と行為、その間に生成される意味との関係をわかりやすく分解して体験できるようにすることで、「デザインの裏」として感じてもらえるよう計画しました。芝生広場に設置された、一見ランダムなパネルの集合体にしか見えない3つの構造物は、特定の位置から見ると特定の像を結び、予想外のイメージを生成させる装置になっています。見る場所によって形/意味/名前が変わります。名前というのは、存在価値そのものです。名前が意味を固定します。通常であれば、形/意味/名前はセットで機能していますが、それを引き剥がしていくことで、固定されたものではなく、見る人との行為や関係性の中で、その都度、形/意味/名前が生まれます。ひとつの固定した正解があるというものではない、それが『unnamed-視点を変えて見るデザイン-』です。六本木の芝生広場というインターナショナルで様々な世代が集まる場所において、大人でも子供でもどこの国の人とでもつながることができるように、形も楽しく歴史を紐解いても面白いモチーフを探し出しました。それらのうち2つのモチーフを3Dモデル空間で組み合わせて、逆算的にパネルの形状と位置を決定、また、構造である単管パイプの600mm立体グリッドを接合部材の寸法まで反映した3Dモデルを作ることで、太陽光や照明の正確な検証をおこない、様々な時間帯でシルエットの変化を楽しめるようになっています。COVID-19のパンデミックにより2020年開催予定だったイベントが1年間延期となり、本来は、子供が構造物に登り動き回ることで内側からも異なる形を見つけることができるような展示を目指していましたが、感染症対策や安全面によって触ることや登ることを断念しました。それでも、今回の開催にあたって、現地で体を動かすことで発見するというインタラクティブな体験をつくることにこだわりました。イベント期間中に、子供たちが「ピカチュウが見える!」「象さんが見えた!」と自ら勝手に解釈している様子が印象的で、うつりかわる雲のように見える形や、そこから無限に生成されるイメージは、どれも正解になりえて、解釈する人に見えたものは全部正解であるということを、開催してあらためて感じました。パネルと単管パイプで構成された構造物に、意味を見出し、作品の名前を発見する体験をお楽しみください。【Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2021】 2021/10/15(金) – 2021/11/3(水・祝), 東京ミッドタウン各所

Year: 2021

Category: exhibition

Status: Built

Location: Tokyo, Japan

Photo Credit: 高木康広

Link: Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2021 特設サイト

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