“多層世界とリアリティのよりどころ” at NTT InterCommunication Center[ICC]

ICC「多層世界とリアリティのよりどころ」展 展示デザイン

2022年12月17日(土) よりNTT インターコミュニケーション・センター [ICC]で開催されている企画展「多層世界とリアリティのよりどころ」 で、NOIZは2020年、2021年に続き、今回も企画監修および会場デザインを担当しました。

本展覧会は、2020年から始まったオンライン・プラットフォームを活用した展覧会「多層世界」シリーズの3回目となります。過去2回の展覧会「多層世界の中のもうひとりのミュージアム (2021年1月16日ー3月31日)」と「多層世界の歩き方(2022年1月15日ー2月27日)」では、現実空間と情報空間の双方から体験する新しいアートと展示のあり方を模索し、まさにこの3年間の特殊性でもあったCOVID-19による外出や交流制限の時代が、私たちの意識や感覚にどのような変化をもたらしつつあるのかを、ヴァーチャル初台やヴァーチャルICCなど物理空間を超えた展示空間の構築と、それらをつなぐメディア・アートという形を通して展示を行いました。

今回の展示は、メタヴァースやミラーワールドといった仮想空間や現実空間をデジタル化した拡張環境がより日常の一部になりつつある中、リアルとヴァーチャルが普通に混在する多層世界における、新しいリアリティのあり方に着目した展示です。今回はあえて物理会場のみに注力し、メインギャラリーの大空間のゆるやかな分節と連続を示唆する、円形の照明のみによる会場構成としました。物理空間に注力しつつ、同時に壁などの物理的な要素をつかわずに、光だけで個々の作品のユニバースの連続や重なり、差異のあいまいさを感じられるような展示計画としています。細い円形の照明の多様な半径や高さが、それぞれの円に対応する個々の作品の領域を示唆し、ホタルの集団同期明滅モデルを参考としたランダムでありながら一定周期で同期するゆっくりとした光の明滅パターンにより、会場全体に弱い統一感を与えることを意図しました。設計にあたりUnity上で事前にジェネラティブな明滅パターンのパラメータ検証を行いつつ、DMX経由で直接円形照明をコントロールするシステムを構築するなど、デザインとシミュレーションおよび実装環境の統合も試みています。

Year: 2022

Category: exhibition

Status: Completed

Location: Tokyo, Japan

Photo Credit: 撮影:木奥恵三 / 写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

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