Matryoshka Furniture

noizのデザインによるThe HEARTが設置されているKABUTO ONE、そのロビー空間に設置されたパブリックファニチャーもnoizがデザインを担当しました。

KABUTO ONEは単独のオフィスビルというだけでなく、兜町全体の顔として、日本金融界のハブとして、新しい開かれた金融界のシンボルとしての機能が求められています。永代通りと平成通りの交差点に対してできるだけ開かれてアクセスのしやすい空間、街の広場のような場所として機能するように、できるだけ多様な使い方を誘発する家具にしたいと考えました。

同時にKABUTO ONEのロビーは、The HEARTとも連動した新規上場イベントや記者会見、ピッチイベントなどにも使えるスペースとして、または災害時の帰宅困難者向けの一次避難場所としても機能することが求められており、家具は固定型ではなく、多様な場面に機敏に対応できることがデザインの条件となっています。ロビーのすぐ横にはフードコートがあり、街の広場としてちょっとした滞在や飲食、カジュアルな打ち合わせなどにも対応できるよう、だれでも気軽に配置が変更可能で、かつベンチとしても机としてもカウンターとしても、多様な使い方ができる、引き出し型の入れ子状の家具をデザインしました。

壁際に折りたためば、マトリョーシカのような入れ子状の断面をグレースケールのグラデーションとして見せ、ロビーに引き出せば階段状の連続したベンチ/机として機能します。引き出し加減に応じて多様なスペースの使い方が可能で、かついつでも一人で簡単に出し入れすることができます。安全性や防犯性など、パブリックスペースに設置されれる家具ならではの問題への対処も、様々な工夫により一つのデザインの中に昇華させています。

引き出したり下り畳んだり、日々使い方によってグラデーショナルな構成が動的に変化し、刻々と表情を変える四角い箱という点でも、すぐ横にあるThe HEARTとも連動しながら、街のパブリックスペースとして、KABUTO ONEがこれまでにないアイデンティティを獲得する一助となることを企図しました。

Year: 2021

Category: furniture

Status: Completed

Location: Tokyo, Japan

Photo Credit: Heiwa Real Estate Co., Ltd.

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