NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]の企画展「多層世界の歩き方」の会場デザインとWebアプリケーション開発を担当しました。情報環境をテーマに集められた8組のアーティストの作品に対して、「コモングラウンド」の視点を通して各作品を考察できるようなしつらえをデザインしました。
各アーティスト作品の領域を定義している白い帯には、「コモングラウンド」の概念を説明する言葉が記されており、来場者は会場を回遊する中で、そのキーワードやコンセプトを断片的に目にすることになります。これらの帯は、前年度の企画展「多層世界の中のもう一つのミュージアム」のアプリケーションである『ヴァーチュアル初台』の世界において、アーカイブ・ボックス群の間を浮遊するリボンの形状を継承しています。床や壁面で帯同士が交錯した部分からは『ヴァーチュアル初台』の景色が見え、本展覧会の会場がアーカイブ・ボックスの内の一つであるという構成を表現しています。
さらに、その風景のグラフィックの上には、ボックス状の什器が物理的に制作・配置されており、「コモングラウンド」の概念の詳しい説明のサインであったり、音声チャンネルやオンライン展示を座って楽しめるようなベンチの役割も果たしています。
また、本展覧会では、作品解説を物理的に配置するのではなく、ヴァーチュアル空間を通して解説が読めるような展示構成にチャレンジしています。リアル会場内に設置されたQRコードをスマホで読み込むと、Webアプリケーションが起動し、会場の風景を忠実に再現した3D空間を背景に、解説文が全天球の立体形状となって自分を包み込んでいるという体験ができます。スマホを上下左右動かしながら解説文を読んでいくうちに、目の前のリアルな風景と、画面の中のヴァーチュアルな風景との境目が曖昧になります。
ヴァーチュアルの世界だけで情報が完結するのではなく、リアルな場所においてヴァーチュアルな体験がオーバーラップすることで新しい認識感覚を拡張するという「コモングラウンド」の一つの世界観を通じて、これからの情報化社会での表現やコミュニケーションを考える会場構成になっています。
[2022年1月15日(土)—2022年2月27日(日)]
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Project Name
Information
Year
2022
Category
Design Category, Design Method, Exhibition, XR
Status
Completed
Location
東京, 日本 Tokyo, Japan
Photo Credit
木奥恵三 / 写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] KIOKU Keizo / Photo Provider: NTT InterCommunication Center [ICC]
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